ウッドデッキの塗装直し
1.概要
我が家のウッドデッキは、前回約2年前に塗装したのですが、色がくすんで黒ばんだり白化したり劣化が著しいため、再塗装を行うことしました。
デッキは15年程前の家新築に合わせて設置したものですが、実家のデッキが数年でボロボロに朽ちるのを見てきたため、材質はアイアンウッドのウリンを選定していました。そのため腐食防止のための塗装は不要なのですが、ウリンでもひび割れや表面が白茶けてくるため、見た目のために塗装を行ってきました。最初の頃は素地を生かした明るいオイル等を塗っていたのですが、経年による黒ずみなどもあり、塗装色もチークからマホガニー、オークと暗い色になってきましたので、今回再塗装に際して、10年ぶりに明るい色への変更を行いました。
(下の写真は今回の塗装前のものです。最後に再掲して新旧比較しています)
2.塗料の調達
1.必要量の算定
塗料の調達に際して、まず必要量の算定を行います。
デッキ面の平面CAD図より面積測定を行い、平面積で16.8㎡と算定。(隙間含み)
隣家側フェンスも塗装するため、両面面積は5㎡。
これらを2回塗りする時の塗装面積は、44㎡分となります。
2.塗料の選定
必要塗料量はかなりの量となるため種類の豊富さも考えてネットで塗料を選定しました。取扱店、塗料メーカー、色は膨大に種類があります。
・まず色から決定。チークと悩んだのですが、彩色はマホガニーとしました。
・木部用塗料は防腐剤の仕様によって種類(すなわち価格)はピンキリですが、デッキ材がウリンにて防腐剤は無くても構わないため、特に高機能のものは選ばず安価なものを選定。(余談ですが、通称「アイアンウッド」と呼ばれるウリンは本当に頑強です。デッキを設置して10数年経ち、さほどこまめに塗装もしていませんが、まったく朽ちておりません。木ネジはまったく刺さらず、釘すら下孔が無いと素人には打ち込めません。柵の部分は通常の木材だったため、塗装の弱かった箇所は既にボロボロ…)
後は大容量のものと安価な店で選び、結局以下のカンペパピオの3.2㍑塗料を2缶調達しました。
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3.旧塗膜の剥離
塗装にあたってですが、冒頭に書きましたように、これまで塗り重ねてきた元の塗料は黒く変色してしまっており、この上に明るいマホガニーを塗っても暗い焦げ茶にしかなりません。そのため、素地の木材がしっかりしていることもあり、表面をケレンして、古い塗膜を剥離させてから塗装することとしました。
1.塗膜剥離方法
表面をケレンすると言っても、何回も塗り重ねてきた塗膜と、結構な面積がありますので、どうやって行うべきか、その方法をいくつか検討しました。
➀手研磨
#40程の粗い紙ヤスリをホルダーに巻き付けて、手で削ります。
それなりに削れなくはないですが、板1枚(幅100㎜)を長さ30㎝ほど削るだけでゼイゼイになりました。これをデッキ1面はとても無理。
②ペーパーサンダー
手持ちの簡素な電動ペーパーサンダーでトライ。
➀と同様に紙ヤスリをセットして研磨。まぁまぁ削れる。が、塗膜の極表層しか削れず、番手の低い粗いペーパーだと、ペーパーの抑え部分がすぐに破れたりして使えなくなってしまいました。
③ワイヤーブラシ
インパクトドライバーの先端にワイヤーブラシをセットして研磨。
深く削れるが、研削面積が狭く、デッキ1面を削るには膨大な時間が掛かる。また恐らくバッテリーもすぐに無くなりそう。
④サンダー
グラインダーにディスク状のペーパーをセットして研磨。
これが削れる! あっという間に、深く、素地が出るまで削れる。ディスクの円周部で削るため削りムラはありますが、圧倒的に作業効率が良いため、これで全体を削ることとしました。
2.塗膜剥離
ディスクペーパーサンダーで研磨を開始しましたが、これは無茶苦茶削れるのは良いのですが、周囲に猛烈に粉塵が飛散します。近所で洗濯物を干している時は作業を止めざるをめざるを得ず、また音もうるさく御近所さんが洗濯物を干す前の朝の作業も出来ないため、夕方に近くの家が洗濯物を取り込んだ時間帯を見計らっての作業となりました。
また酷い粉塵のため、普通のマスクでは隙間から口や鼻に粉塵が入り込み、1時間程の作業後には真っ茶色の痰が出てきました。そのため粉塵作業用のN95防塵マスクを調達して、作業することとしました。
研削するディスクは、最初はホームセンターの(そこの中では安価な300円程の)ものでテストしたのですが、同様のディスクペーパーが100均のDソーでも売られていることを偶然発見。高速回転する物のため、安物買いで事故して怪我でもしないか(過去にサンダーで大けがしているため・・・)一抹の不安もあったのですが、100均のものも遜色無く使えたため、100均を大量買いしてガンガン削りました。恐るべし今の100均。
サンダーは研削効率は良いものの、作業時間も限られ、なかなか進みませんでしたが、約1ヵ月で全面の塗膜剥離が完了しました。黒ずんだ古い塗料が取れ、10年ぶりにきれいな白い地肌が出てきました。
4.塗装
1.デッキ面の塗装
塗膜のケレンが終わったのでようやく塗装ですが、ここまで来ればほとんど終わったような感じです。
デッキの主な面は範囲も広いのでローラーで塗りますが、ローラーではコーナー部など狭い場所は塗れないため、端部は予め刷毛で塗っておきます。更に窓サッシとの境界部はマスキングしておきます。
エッジ部塗装が出来たら全体の塗装を行います。
トレイに塗料を開け、ローラーで塗り進めます。
半分塗りました。
全体を塗り、一度乾燥させた後に二度塗りを行い、一旦終了です。
2.フェンスの塗装
デッキ面が明るくなったことでフェンスの色が合わなくなったため、フェンスの板に同じ塗装を行います。組んだままでは、裏面のポスト側が塗りずらいことと、板を留めているネジをアクセントで黒にしているため、一旦板を全て外して単品で塗装を行った後に再取付を行います。
こちらも2度塗りを行って元に戻します。
3.再塗装
デッキ面は2回塗りしているためこのままで終了としても良いのですが、アイアンウッドも経年で木目が開き、そこが黒ずんで見える事と、塗料もまだ余っていたため、再度塗装を行うこととしました。
次の塗装は普通に3回目のローラー塗りではなく、刷毛を使って木目の隙間に塗料を擦り込むように塗っていきました。写真では分かりづらいかもしれませんが、下写真の下半分が2回塗り状態、上が3回目の再塗装後です。上の板は木目が塗料で埋まっており、黒い地肌が目立たなくなっております。
かなり手間が掛かりましたが、非常に良い出来で仕上げることができました。
5.終わり
構想からかなり長い月日が経ってしまいましたが、ようやく久しぶりに明るい色のデッキに戻り、非常に満足のいく出来となりました。
【塗装前】
【塗装後】
参考までに、今回掛った費用は以下でした。
以上です。