傷だらけのスプーンの鏡面研磨による輝き復活!
1.傷だらけのスプーンの研磨
我が家で使っているスプーンは確か結婚当初に購入したもので、気に入っているものではありますが、20年近く使っているため傷だらけで艶も無くなっていました。



拡大してみると、金属たわしで洗ったのか、細かな疵が無数に入っています。

これを研磨して輝きを復活させることにしました。
2.ペーパーによる粗研磨
実は最初は、後で出てくる液体研磨剤(ピカール)でいきなり研磨をしたのですが、およそ艶は出たのですが、細かな疵が消えなかったため、まず耐水ペーパー(紙やすり)で表面を削って長年の疵を消してから、研磨を行いました。
(1)#1000での研磨
ペーパー研磨も最初は#2000からとか#1500からでトライしたのですが、それらでは深く入っていた傷が落としきらず、結局#1000番のペーパーから粗研磨を始めました。ここは研磨するスプーンの疵の深さによって変わりますので、適宜疵の状態を見て変えてください。いきなりピカールで十分な場合もあれば、もっと粗く#600~#800から削ったほうが良い場合もあります。
洗面器に水を溜め、#1000の耐水ペーパーを扱いやすい大きさ(私は30mm×50㎜位で使用)に切って粗研磨を始めます。ペーパーを水で濡らし、スプーンを研いでいきます。酸化したステンレスが削れて水が真っ黒になっていきますので、都度洗面器の水で洗いながら研磨を行います。すくう部分とその裏、持ち手の部分とその裏、中間の部分と、研磨状態を見ながら削り残しが無いように入念に削っていきます。
#1000での粗研磨後です。

番手が粗いため研磨疵はありますが、元のたわし?疵は消えています。


(2)#1200での研磨
次は#1200に番手を少し上げて、同様に研磨していきます。
#1200での研磨後です。#1000後と大きくは変わりませんが、研磨疵が細かくなっています。



(3)#1500での研磨
同様に#1500での研磨後です。艶が出始めてきました。



(4)#2000での研磨
ペーパーでの最後#2000番での研磨後です。



だいぶ艶が出てきたので、これで終わりにしても十分なほど改善はしていますが、これでも研磨疵は残っていますので更に磨きをかけていきます。
3.研磨剤による仕上げ研磨
(1)液体研磨剤ピカールによる研磨
ペーパーでの粗研磨による疵落としが終わったので、私の常習の液体研磨材ピカールで磨いていきます。ピカールは本当に万能です。金属用とうたわれていますが、金属の鉄はもちろん、通常の鉄より硬い今回のスプーンのようなステンレスでも柔らかいアルミでも、プラスティックでも塗膜でも磨くことができます。
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要らない布にピカールを少量ずつ取って磨いていきます。この後最後にコンパウンで仕上げ磨きも行いますがこちらではあまり磨けないので、ピカールで磨き残しが無いようにしっかり磨いていきます。(作業場所を変えたので撮影背景が異なります)




十分艶は出ていますが、これでもまだ研磨疵が残っています。
(2)コンパウンドによる仕上げ研磨
最後はステンレス用のコンパウンドで仕上げ磨きを行います。
こちらは濃緑のペースト状のコンパウンドです。(いつも少量を取るために爪楊枝を刺しています)


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布にとってスプーンに移すとこんな感じでドロッと乗ります。本当にきれいになるのだろうかと疑ってしまいますが、信じて磨いていきます。

研磨する指先もかなり疲れてきていますが、最後のひとふんばりです。
4.研磨終了して輝き復活
今回3本のスプーンを研磨しましたが、正味約3時間。
指先は痛くなり、研磨紛で真っ黒になりましたが、全行程終了しました。





ほぼ新品の輝きを復活させることができました。

なおピカールなどは石油系研磨剤のため、研磨後は入念に油分の洗浄を行ってから食用にするようにしてください。今回も最初に1本だけで試し研磨しており、洗浄後に最初にスプーンをなめてみて油の臭いや変な味が無いことを確認してから多数実施しております。
以上、ご参考になりましたら幸いです。