れきょぱのDIY紀行

DIY記録を書いていきます。誰かの参考になると幸いです。

 

粘土質の我が庭でのブルーベリー畑の土壌改良と通気性改善対策

我が家の建築時、庭の片隅に外構屋さんにブルーベリーを植えてもらい、毎年僅かな収穫を楽しみにしてきたが、最近実の付きが特に悪くなった。ほとんど手入れもしてきていなかったのだが、改めて育て方とかを調べてみると、そもそもブルーベリーは土を酸性にしないといけないという基本を初めて知った。普通の野菜や樹木は酸性を嫌がるのだが、ブルーベリーだけは特殊で弱酸性でないといけないとのこと。ささやかながらブルーベリーを育てて10年、初めて知った基本である・・・

今回土壌改良をして、(当たり前の)酸性の環境に変えてあげることにする。

 

 

1.我が家のブルーベリー畑の課題

我が家は新興住宅地で、元々土壌は非常に悪い。表面の3㎝~5㎝だけ真砂土だが、その下はどこまでも造成用の粘土質の土が使われている。ブルーベリーを植えた外構屋さんがそこに酸性土を入れてくれていれば良いが、まずそこまではしていないだろう。おまけにその後pH管理など全くしてきていない。

我が家のブルーベリーは玄関横の1m角ほどの小さなエリアに生えていた。ただこの場所は北東に面しており更に家の外壁のすぐ脇の為、朝日だけは差し込むが、10時位以降は家の陰でずっと日陰になってしまう。それでもこんな場所で土壌も気にせずに実はなっていたため、一旦はここで土壌改良をする計画を進めていた。

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だが、せっかく土壌入れ替えまでするのなら、後悔しないようベストを尽くしたいと考え直し始めた。

 

2.植え付け場所の検討

 2-1.植え付け場所の見直し

 元の場所のすぐ横の表通りに面した場所に、以前フェンス設置と共に灌木を伐採し、固まる土で表層を固めていたエリアがある。
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(フェンス設置の記事は次を参照。DIYで自宅外構の生垣をフェンスに変更。まずはポストフェンスの選定と生垣の伐採。 - れきょぱのDIY紀行)

元々、枝の剪定や落ち葉拾いなど灌木の手入れを嫌がって伐採し固めた場所であるが、今のブルーベリーが植わっている場所より広々として若干は日当たりも良い。手入れの場所が増えることになる妻が少し嫌な顔をしていたが、将来後悔することの無いよう少しでも良い場所にしておきたい。新たなブルーベリー畑をここに変える事にする。

2-2.畑の配置設計

フェンスの手前のこのエリアにブルーベリーを並べて配置する。

まず苗木の間隔をどうするか。1mほど間を開けるのが望ましいと記事には良く書いてあるが、家庭菜園でそんな間隔を取れるはずもない。土の量も膨大になる。どういう結果になる分からないが、苗木の間隔は今回500㎜とする。新しいブルーベリー畑には苗木を4本植え、幅は2m、奥行は600㎜、深さは500㎜で計画することとした。

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3.ブルーベリー土壌の基本設計

3-1.ブルーベリー土壌の基本

ネットを調べると多くの方がブルーベリーの土壌について説明をしてくれている。どのHPでも土のphは4.5程度、酸性のピートモスをベースとし、鹿沼土等を0~50%ほどブレンドするのが良いとされている。元あった土は取り除いて完全に入替を推奨。

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ピートモスとは、ミズゴケなどの植物が堆積、腐植、泥炭化したものから作られる用土で、保水性、通気性、保肥性が高く、酸性の性質を持っている。高価なものであるが「ブルーベリーにはピートモス100%が最適」と言われる方も少なくない。

3-2.ピートモスの落とし穴?

多くの先輩方の御意見に倣い、更にピートモスを「高価な土=最適・万能な土」と勘違いした中級庶民の私は「高いピートモスをたっぷり使えば最良の土壌ができる」と安直に思い込み、用土の必要量計算などの検討を進めていた。

だが、もう少し多くの意見を広く確認しておこうと思い立ち、改めてネットでブルーベリーの推奨土壌や土壌改良などの記事を読み漁ってみた。広く読んでもほとんどは同じような内容の記事であったが、ある1つの記事に脳天を叩かれてしまった。(その記事のURLやタイトルを紹介したいところですが、未だブログ不慣れな私はネット記事の著作権などが心配なので明示は避けさせて頂きます。)その人も、多くの人が言うピートモス至上主義を信じてピートモスを100%使い、乾燥が特に苦手なブルーベリーに丁寧に毎日たっぷりと水をあげていたようだが、やがて枯らせてしまった。根を掘り起こしてみるとピートモスが汚泥化し、根腐れを起こしてしまっていたとの事。

確かに言われてみれば、ピートモスは非常に保水力の高い土質なので、元々保水されているところに更に水を繰り返しやってしまえば、水分過多となり通気がされず、窒息状態になってしまうのは当たり前かもしれない。通気性が悪化して酸欠状態になると、土壌はpHが上りアルカリ性側に偏ってしまう。

ブルーベリーの用土には保水性も求められるが、更に通気性も必須なのである。

ある程度不精な人や散水の難しい広い畑などにはピートモス100%は乾燥を防いでくれて良いかもしれないが、こまめに水やりをする几帳面な人には通気性悪化によるpH上昇のリスクがあるのかもしれない。

3-3.保水性と通気性を兼ね備えた用土設計

いくつか難点を挙げたが、ピートモスは酸性と保水性を備えており、やはりブルーベリーには適した用土である。今回、ピートモスを主体に土壌を構成させるが、100%ではなく、他の用土とのブレンドを模索する。

まずは、酸性で通気性を持った鹿沼土ブレンドする。ただ鹿沼土は、保水されたピートモスの中で長年使われていると、含水して崩壊し汚泥化してしまう欠点を持っている。汚泥化して通気性が悪化するとpHが上がってしまう。

他の構成土として、酸性ではないが長期間通気性を確保できるものとして、軽石を選定した。なお具体的用土としては、軽石系としてほぼ同様の種類を持つひゅうが土(ボラ土)も使った。

これらピートモス鹿沼土軽石を組み合わせ、場所によって種類と粒度と比率を変えて構成する。

土壌全体としてはピートモスを中心に構成するが、通気性を配慮して鹿沼土軽石を3割程度配合する。土壌部の深い層は軽石系の比率を高め、その下層は中粒の軽石のみ、最下層は大粒の軽石のみを配するように計画。

これを基本配合とするが、具体的な詳細配合は4-3で説明します。

 

4.用土の準備

4-1.必要用土量の算定

ブルーベリー畑を作るにあたってピートモスはどの程度要るのだろうか。

実は私がブルーベリー畑を作って苗木の植え替えをする春の前に、秋に初めて剪定を行い保存していた枝を挿木にしようとしていた妻がピートモスを先に手配しようとし、まだ何も考えていなかった私に「ピートモス、どの位要るの?15ℓ?40ℓ?50ℓ?」と問われ、「40ℓあれば良いかな」と適当に答えて、取り敢えずピートモス40ℓを1袋頼んだのだが、後になって少し冷静に考えてみた。

作ろうとしている畑の大きさは、およそ幅2m×奥行60㎝×深さ50㎝。

2000cm×60cm×50cm=600,000cm3=600ℓ??え? 何度計算しなおしても、ケタは間違えていない・・・ 。40ℓからの残りじゃ全然足りないじゃないか?!!どれだけ要るんだ?ちゃんと計算しないといけない。

表層は210cm×60㎝を目安に作るが、そこから深さ50㎝を垂直に切り出すことはできず、斜めに掘ることになる。ただ畑の場所は残念ながら粘土質のガチガチの土であり、比較的高い角度で掘削ができそうなため、底面は190㎝×45㎝で算定する。

 表層面積:A1=210×60=12,600㎠

 底部面積:A2=190×45=8,550㎠ ⇒ 平均面積:A=10,575㎠

 深さ50㎝として全容積はV=528,900cm3=529ℓ

ピートモス比率を平均7割とすると、ピートモスの量はVp=V*0.7=370ℓ

たくさん要るなぁ・・・

元の土壌は使わず、全量入替の予定なので、残りは鹿沼土など軽石系とする。

軽石系容量:Vk=V-Vp=529-370=159ℓ

4-2.用土の手配

4-2-1.ピートモスの手配

最初に土壌の主な用土となるピートモスを調達する。ここで探すのは成分未調整のピートモス。成分調整して中性に近づけたピートモスがあるが、それでは意味が無い。

まず普段野菜の苗などを買っている近くの園芸屋さんに行ってみるが、ピートモスは扱っていない。もう1件の園芸屋に行くが、ここもピートモスは無く、ココピートなるものだけあった。店員さんに聞くとピートモスとは異なるものとのこと、後で調べると酸性度も無いとのことでここも諦める。必要量も多いため、ネットで探すこととする。

ネットショップでピートモスを検索すると山ほど出てくる。単価もピンからキリまであるが、何が違うんだろうか?良い物を選びたくもなるが300ℓ近く要るため、あまり高価なものも選べない。安価な物は質は変わらないものを安く売っているのか、それとも何か質が悪かったりするのか?逆に上を見るとこれもまたキリが無く、何が良くて高いのかも分からない。結局何となく質も良さそうなパッケージの見た目と単価もさほど高くは無い、以下のピートモスを選定。単品では別途送料掛かるのですが、4袋手配のため送料ゼロとなり、比較的安価となりました。後で写真もありますが、完全乾燥型のサラサラで良かったのではないかと思っています。

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なお、あるネットの記事にサカタのタネの「スーパーミックスA」がブルーベリーに最良とのコメントがあった。良質なドイツ産の黒ピートを使用しており、 フミン酸という保湿性と土壌の団粒化を促進する物質を含んでおり、ブルーベリーに最適だという。2袋だけ調達して根の周辺に重点的に投入してみることとする。こちらは黒ピートと言うだけあって中身の土は真っ黒。黒土のようでとても良さそうな性状でした。

 なお、別の資材を探してホームセンターに行ったとき、ダメモトで土売り場を見てみるとピートモスが売られていた・・・。専門園芸店2軒に無くて、通常のホームセンターにあるとは想定しなかった。しかも50ℓで1000円と非常に安価。もちろん送料も無い。今後のピートモス追加もありうるので、物は試しで1袋使ってみることとした。

更に我が家の倉庫を漁っていたら、使いかけのピートモスの小さな袋が出てきた。私も妻も覚えが無いが、恐らく何か保水性のために昔使ったのだろう。いずれにしても15ℓ袋の半分程残っていたので7ℓ位があった。

結局、使い残りなども含めて、357ℓのピートモスを調達した。

4-2-2.軽石系用土の手配

次は軽石系の用土。

まずは鹿沼土鹿沼土関東ローム層でできる、火山灰が風化してできた軽石。主に栃木県鹿沼地方で採取されることからこの名が付いた。鹿沼土は酸性が高く、pHが4~5。水はけが良く、保水性も良いことからブルーベリーに適している。ただ先述のように、長年使用していると細粒化して崩壊、水はけが悪くなる。従ってピートモス以外の残り全てを鹿沼土でなく、残りの4割ほどとする。鹿沼土はどこでも売っているため、いつもの園芸店(ここは信用できる店)で中粒と細粒の鹿沼土を買い、ホームセンターでも同様に手配し、合計88ℓの鹿沼土を調達した。

残りは軽石。これはホームセンターで手配。ホームセンターで土を物色していると、軽石の隣にボラ土(日向土)を見つけた。ボラ土は宮崎県日向地方でとれる軽石である。「ボラ土」という名前の通り、軽石と土の中間のような性状である。我が庭の畑にも通気性のために使っているが、10年程経ってもさほど崩れていない。(我が家の畑作成の奮闘記はこちらへ)。しかも単価が安い。軽石が15ℓで500円程だったが、ボラ土は同じ量で200円弱である。軽石の方が耐久性は高いと思うが、価格につられ、ボラ土を中心に使用することとした。ボラ土は最深部の透水層に用いる。

結局、ピートモスブレンドするための小粒の軽石を28ℓ、透水層用などのボラ土を90ℓ(大粒・中粒・小粒)を調達した。

これで用土の手配は完了。やがて大量の用土が揃った。

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4-3.ブルーベリー用土の詳細配合

手配したタイミングの違いなどもあり非常に多種類の用土を調達してしまったため、どこにどの土をどれだけ配合するか予め整理をした。

まずブルーベリーの用土としては3種類作る。

 A. 苗周辺土・・・苗の根の周辺に使う用土。スーパーミックスAを基材とする。

 B. 主土壌 ・・・A, C以外の用土でほぼ全体に使用するもの。

 C. 下部土壌・・・用土の中では最下部に使う、排水性を重視した土壌

これらの用土に加え、最深部をD透水層としてピートモスは使わず軽石系のみの排水性を確保するための層を作る。

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5.ブルーベリー畑の作成

5-1.苗の一時掘り出し

ブルーベリーはあまり深く根は張らず、横に根を広げていくという。移植前のブルーベリーが植わっている場所の土壌は粘土質のガチガチの土であり、根を浅く張っていればまだ良いが、深く根を張っていると苗を掘り起こすのも相当大変である。根の深さと広がりを予め確認しておくためにも、一度苗を掘り起こしてみることとした。

案の定、土壌の表層5㎝程は真砂土だが、そこから下は粘土質の造成土。場所によっては20㎝程の石が多く埋まっている所もある。我が家の今のブルーベリーは幹の太さが直径2㎝程であるが、根も幹と同じくらいの太さのものが2~3本伸びて行っており、その先端から細い根が広がっているような生え方をしている。言われているように根の1本は地表から10㎝下位のところを横に伸びているものが多いが、それ以外は真下や斜め下に延びて行っており、深さは40~50㎝の所まで伸びている。本来ふわふわの酸性土を好むブルーベリーが、スコップで体重をかけても掘り進めないような固まった粘土質の土の中を良い土壌を探して苦労して根を伸ばしていったのかと思うと可愛そうになってくる。全ての土をどけることができなかったため、最後は無理に根を引き抜いて細かい根を引きちぎってしまった部位もあったが、新しい土壌で新しく根を伸ばしてくれることを期待する。

 下の写真は掘り起こした我が家のブルーベリーの苗木の根の状態。それぞれ概ね同じ縮尺になるように調整しています。実寸は30㎝のL鋼尺を参考に。ガチガチの粘土質の土壌の中で育った根の状態のため、普通の発根状態とは違うのかもしれません。

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根の状態を確認した苗は元の場所に戻し、元と同じ粘土土壌ではあるが軽くふわっと土をかけて戻しておく。

5-2.新たなブルーベリー畑の掘削

さて、いよいよ新しいブルーベリー畑の場所の掘削を行う。

この場所は表面に”固まる土”を施工してある。厚さは3cm程だったはずなのでクワかスコップで切り崩せるかと思ったが、意外に歯が立たない。やむを得ないのでディスクグラインダーを使って境界線を切除していった。エッジさえ切れば、後は端から表面を剥がすようにクワで破砕していくことができた。

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後は普通の土なのでクワで行ける。だが、粘土質の土が硬い!本気でクワを振り下ろしてやっと崩していける位に硬い。クワで崩してはスコップで掘り出しての繰り返し。更に所々に30㎝ほどの石も埋まっておりペースが落ちる。

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掘り進めていると、上の写真右手の表層20㎝位のところからバラスを固めた硬い層が出て来た。バラスを転圧して締まった硬さなどではなく、コンクリートのような強度で、クワすら全く歯が立たない。そこはポーチの通路の下に近い所のため、地盤を固めるためにバラスに化学硬化剤を混錬して固めたのではないかと思われる。余りに歯が立たないため初めはこの部分を崩すのは諦めていたのだが、深部へ掘り進めるに従って硬化層の範囲が広がり、苗木予定地の真下まで来てしまった。この層は根も入らないためさすがに何とかしないといけないと考え、石割のタガネがあるのを思い出した。タガネとゲンノウ(石工用の重めのハンマー)で叩くと僅かだが切り崩せた。コンクリートを崩す想いで少しずつ切り崩していき、完全にとはいかないが何とか根の広がる範囲を確保できた。(写真右下の青黒い部分が硬化バラス層)

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 苦戦しながらも掘り進め、全体の底面の深さが地表から50㎝まで掘られたことを確認し、何とか畑全体の掘削完了。

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5-3.排水性の改善その1

転圧されてガチガチの粘土質の土を掘りながら思った。ここは上から下まで全て粘土。今まで通気性を良くするように、土壌は軽石だの鹿沼土だの配合を考えてきたが、この畑に大雨が降ったらどうなるんだ?周りが全て粘土ということは大きなバスタブのようなものじゃないか。上層は水が抜けていったとしても底の部分には水が溜まることになるはずだ。同じく粘土質の庭に畑を作った時と同じように、畑の孔の片隅に排水の桝を作ることにした。(庭の畑の作成記事はこちらを参照)

とはいえ、どういう構造にするか。ただ貯水枡を掘っても、そこにピートモスが入り込んで雨水が溜まってドロドロの汚泥になるだけだ。これまで畑を掘ってきた途中で出てきた20~30㎝の石を瓦礫として穴に投入したくなるが、この石は粘土が固まった岩状の物であることを知っている。畑を掘った際も地中の至る所に埋まっており、ハンマーで叩いても割れないため普通の石かと思い、透水層の瓦礫として使ったが、水に浸かっていると、段々と含水して軟質化し、半年~1年でいずれボロボロに崩れて粘土になってしまうのだ。何なんだろうか、この石(?)は。

何かアイデアは無いかとホームセンターを物色していたら、家の通気口に使うのだろうか、硬質ゴム製のメッシュのパネルを見つけた。うまく使えるか分からないが、試しに買ってみる。150㎜×300㎜のパネルを3枚買ってきたため、これを並べて300×450のパネルとして桝の蓋のようにして使う。このパネルが乗るように畑の底に250×400で深さ150㎜ほどの穴を掘った。

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5-4.排水対策の見直し

畑となる穴を掘り終え、排水桝も作り、次の週末には用土を投入して移植をしようと考えていた、ある日にかなりの雨が降った。畑はどんな状態になっているだろうか。

 雨の上がった翌日に見てみると・・・

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やはり・・・見事にプールになってしまった。

さてこの水は引いてくれるのだろうか? 降雨の後、上の写真から2日ほど経った後、次のようになっていた。

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粘土質の底を通じて少しずつ水が引いたのか、蒸発したのか分からないが、溜まっていた大半の水は引いていたが、貯水枡には見事に水が残っていた。狙い通りと言えばその通りだが、もっと雨が降ったらどうなる?だいたい今は上の土が無いから蒸発していくが、土があったら蒸発していくこともできない。貯水能力をもう少し増やしておこう。

今作ってある貯水枡と同じくらいの大きさの桝を両脇に二つは作りたい。どうやって作ろうか。同じパネルを買ってきても良いが、あのパネルは3枚で1000円程したため、安価につくりたいので、100均で何か使える物が無いか探しに行くことにした。籠のような穴の開いた物がベストだが、無ければバケツのようなプラ容器にドリルで通水の穴を開けて使うつもりだった。

100均最大手のD社に行って探してみると使えそうなカゴやら容器がいっぱいある。その中でも貯水容積となる大きさが大きく、メッシュの穴が大き過ぎず、それなりの強度がある次のカゴを選んだ。

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また、前回調達したメッシュパネルも今の状態ではいずれパネルの縁の粘土が雨水で軟化して崩落しそうなため、ここにもカゴを組み合わせて耐久性を上げる。そして貯水能力を更に上げるため、このカゴの下に更にもう一個小さなカゴを組み合わせることとした(これは家にあった100均のカゴを流用)。

まず3枚の通気パネルを接着剤で接合し、そのパネルと100均のカゴ(ピンク)をインシュロックで結合させ、更にもう一つのカゴ(白)ともインシュロックで結びつける。

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畑の掘削した溝に貯水枡となる孔を開ける。前回開けて雨水が溜まってしまった孔も更に深く穴を掘り下げる。メッシュボックスの大きさに合わせ、ボックスが丁度入るように孔の大きさを調整する。

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なおここで掘り方が終了のため、最終の深さを確認しておく。下写真上部の緑の棒は地表面に渡したものだが、各孔とも深さ80㎝まで掘られていることを確認。

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孔が掘り終わったら、メッシュボックスをセットする。

今になって思えば、1000円のパネルは100均で十分だった・・・

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 今回の畑全体の構成は以下で設計を進めた。

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ここまで掘るために多量の土が出ました・・・

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5-5.土壌作成~植え付け

5-5-1.土壌の配合

ピートモスは事前に水につけて含水させておかないといけない。ただ、配合材も含めて500ℓ強の用土をどうやって水に漬けるのか?バケツ?我が家のバケツは10ℓが2つしかない。ドラム缶かバスタブでも無いとこんな量を水に漬ける物は無い。うーん・・・、そうだ!ピートモスなど用土の入っているビニール袋を使おう。小さな通気孔が開けられているかもしれないが、半日位なら持つだろう。

ピートモスを水に漬ける前に、ブレンドする軽石類を混合させておく。水を含ませて重くなった後より、サラサラした乾燥状態の方が混錬しやすいからだ。しかし用土のビニール袋でブレンドするためには配合する分だけ袋を空けないといけない。配合する分だけピートモスをバケツやセメントのパンなどに袋から出し、配合する用土を投入していく。所定の量を袋に投入したら、スコップを使って混錬する。なかなか下まで攪拌するのが大変だが頑張ってかき混ぜる。また、この日は風が強かったのだが、乾燥されたピートモスは非常にサラサラのため、袋から出した時に風が吹くとピートモスが風で飛散し、周りにまき散らすわ自分に掛かるわで大変なため、注意が必要。

ビニール袋での配合が完了したら、そこに水を投入する。ピートモスと同量程度の水を含ませるというが、散水シャワーで袋に注水していても入れた量が分からない。取り敢えず表面に水が浮くまで水を入れてはスコップで攪拌し、袋の下部のビニール裏面に水が浮いてくるまで繰り返す。

なお多くの種類の用土を配合する主土壌Bは、袋に必要な分量を都度投入するのは大変なため、別の入れ物にピートモス以外の用土を所定の配合比率で予めブレンドしておいたものをピートモスに投入して攪拌する。また、苗周辺土壌Aはピートモス「スーパーミックスA」を用いるが、これは乾燥させておらず事前含水が不要であるため、用土のブレンドは移植前に行う。

なお今回使用したピートモスとその性状は以下のような状態でした。

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5-5-2.透水層作成

ピートモスに含水させている間に植え付けまでの準備を進める。

貯水枡にメッシュボックスをセットしたが、メッシュパネルと周囲の縁は隙間が多いため、掘り出した粘土を使って縁の目張りを行った。

その後、土壌から採掘したバラスから大粒を選定し、ボックスと孔との間に投入する。バラスは崩壊しないため透水層に良いが、アルカリ性なので最下部へ投入する。

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我が家の外構に防犯砂利を使っていたが、大粒の軽石状のため、一部を透水層の最下層に投入する。

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その上部にボラ土の大粒、中粒を順に投入する。これで最下部の透水層の完成。この状態での深度を測定すると地表から40㎝の深さになっていた。

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5-5-3.苗の掘り出し

 移植作業の前に、苗木を掘り出しておく。

2週間前に一度掘り起こしており、粘土質の土壌を戻したとはいえ一度耕かされているため容易に掘り出せると思っていたが、その後何度か雨が降ったせいか土壌はかなり締まっており、2回目の掘り出しも意外に大変であった。掘り出した苗は改めて根の状態を確認し、根の伸長方向や長さから相互に根が干渉しないよう、植え付けの配置や向きを考えておく。他の苗木の掘り出しや土壌準備など植え付けまでにまだ時間が掛かるため、根が乾燥しないよう掘り出した苗木は含水処置中のピートモスに仮埋めしておく。

5-5-4.用土投入・植え付け

 まず苗周辺土壌Aを作製する。スーパーミックスAと鹿沼土細粒、軽石小粒を用土の袋へ投入し、ブレンドする。他のピートモスは比較的明るい茶色であったが、黒ピートを用いているというスーパーミックスAは真っ黒であった。

用土の準備が終わったら順次畑へ投入を行う。

最初に、含水の完了した「下部土壌C」を、5-5-2で投入していた透水層の上に全て投入する。なお、用土のビニール袋に十分すぎるほど水を入れてピートモスにしっかり含水させていたつもりであったが、土を出してみると水を含んでいない部分が結構残っていた。もう今更やり直せないので、土を出しながらそこへ散水してはスコップでかき混ぜ、十分に含水させていった。

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 含水中のピートモスに仮置きしていた苗を取り出し、互いに根が交錯しないように配慮し、根の深さなどを確認し、仮配置する。

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根の下に隙間が多くあれば主土壌Bを投入し、苗が自立できる程度まで土を入れていく。この後も都度散水をしながら深部のピートモスへも十分に含水させていく。その後は苗の根の周りを中心に苗周辺土壌Aを投入する。苗の角度も都度確認しながら全体を地表まで主土壌Bを投入、最後は苗周辺を若干盛り土になる程度まで盛り付けて完成。

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土壌の表層の状態は下のような感じです。ピートモス鹿沼土軽石ブレンドされています。

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5-5-5.元場所への植え付け

元々苗木は5本あったが、新しい畑は4本分で設計して作り、もう1本だけは元の場所に植え付けた。そこは排水などは深く配慮せず、苗の周りだけピートモスの土壌に入れ替えて植え付けた。新しい畑との比較で育成を比較しようと思う。なお植え付けた後で気が付いたのだが、ブルーベリーは他家受粉と言って、複数の苗が無いと受粉しないのだった!仕方が無いので人工で受粉させるか、挿木をこの近くに植えて開花するまで待つしかない。

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6.最後に

今回、色々な人の意見・記事を参考にして、自分なりの最善を尽くしてブルーベリー畑と土壌を作りました。この土壌改良と植え付けは2021年3月上旬に実施したものですが、この記事を書いているのは植え付け直後の同2021年3月中旬のため、今回の土壌改良の結果はまだ分かりません。土壌が落ち着くには2~3年掛かるのかもしれませんが、経過については後日また報告できればと思っています。と言っても最速で今年の秋以降の報告になります。

参考に今回購入した資材のリストを付けておきます。

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 非常に長文になりましたが、最後までご拝読頂きありがとうございました。

何かの参考にして頂ければ幸いです。