れきょぱのDIY紀行

DIY記録を書いていきます。誰かの参考になると幸いです。

 

下地の無い石膏ボードの洗面所への棚板の取付け

1.洗濯機上のデッドスペース

我が家の洗面所の洗濯機の上部は何も使われておらずデッドスペースになっている。一方で趣味のように1日に数回洗濯している妻は、少し離れた洗面台下から洗剤をその都度えっちらと運んでいるため、洗濯機上に洗剤用の棚を付けることとした。

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2.棚板の選定

以前本棚を作った時のパイン材が多量に余っていたため、初めはその板を切り出して、白色に塗装して棚板を作製した。しかし、あまり考えずに強度を優先して板厚24mmの板を切り出して棚板を作ったのだが、板が重い・・・。加えて棚を取り付ける洗濯機上部の壁面を調べてみると、下地の間柱がほとんど無く、石膏ボードに壁紙が張られている場所のため壁面の強度が無く、これでは洗剤を置くどころか棚板の自重すらも保持できずに落ちてしまいそうであった。(実際同じ洗面所の別の場所に小さな棚板を付けていたのだが、そこも石膏ボードだけの場所で棚受けのネジがすぐに抜けてしまい、重い物が置けなくなっている…)

そのため、作った棚板は塗装を10数回重ねて行った苦心策だったのだが使うのは諦め、ホームセンターで売っている既成の化粧板を使うこととした(ぴえん)。板厚16㎜、母材はSPFかな?ラッカー被膜あり、ま、それなりの物ではある。

使い勝手を考えると極力手前に物を置けるようにしたいところだが、先述のように壁強度が無いため、モーメントを抑えてあまり手前に置かないように奥行はおさえ、強度と使い勝手を考えて奥行は350mmとした。板幅は既成が600mmしかなかったが、これで丁度良い大きさであった。

3.棚受けの選定

3-1.石膏ボード用棚受け

先述のように棚板を付ける場所の壁面は間柱が無く、石膏ボードに板を預けねばならない。ただ、今どきはそのような場所は少なくないため、ホームセンターにはDIY用に色々な石膏ボード用の棚板ブラケットが販売されており、その一つを選定した。石膏ボード用の受けは1つの支持部に3~4本の細いピンをそれぞれ交差するようにボードに打ち込むことで、石膏ボードに負荷を分散させて重量を保持し、かつボードを破損させないように考えているらしい。取付の状態は後程説明します。

なお取説には耐荷重6kgまでとあるが、この種の石膏ボード用の棚受けを使うのは初めてで信頼性が分からず、かつこの棚板には液体洗剤などの重量物を置く可能性もあるため、他の棚受けも更に併用することで安全率を上げることも検討する。

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3-2.棚板取付け部の下地調査

まず棚板を取り付ける壁面を詳細に調べる。以前何のために買ったか忘れたが、壁面下の間柱(下地)があるかを調べる道具が我が家にあったのを思い出した。

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壁紙の上から先端の白い部分を突き刺すと中から針が壁面に突き刺さり、石膏ボードのみだと最後まで刺さってしまうが、下地に当たるとそこで針が止まり、下地まで何mmか分かるものである。コンコンと叩いていっても下地の有無は大体は分かるが、あまり正確ではない。

今回棚板を取り付ける場所はコーナー部のため壁面にL字型で接するが、このL字面周辺を上記の器具で調べると、やはりほとんど間柱が無い。唯一、コーナー部の1辺側わずかの幅に間柱があった。構造上コーナー部には間柱があるだろうと想定してのことではあったが、事前にコンコン叩いて調べた際はコーナー両面とも下地があると感じ、念のために針で調べたのだが、実際には一方の面には下地は無かった。この器具で調べて良かった・・・。

3-3.棚受けの追加

コーナー部のみには下地があることを確認できたため、ここに通常の棚受けを追加する。これが唯一ネジが立つ、信頼できる棚受けとなる。ただ間柱部が20mm程と細いため、棚受けも細身で肉厚の強度のあるものを選定する。

これで概ね問題無いとも思われるが、長年重量物を置くため、より信頼性を上げるべく、更に2枚の通常の棚板を石膏ボード上にネジ留めとなるが追設することとした。

(下の写真の右下の小さな棚受けは結局未使用)

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3-4.L型棚受けの注意

1セットの棚受けを使用するなら気にする必要は無いかもしれないが、市販のL字棚板は必ずしも直角ではない。物によっては耐力を上げるためかわざと仰角を付けていることもあるのかもしれない。

今回のように棚板を水平にセットし、複数の棚受けを異なる向きで組み合わせて使う場合は、L字棚受けを全て90度に合わせておかないと棚板の負荷を均等に受けられなくなる。実際今回の棚受けは(調整前の写真を撮っておけば良かったが)角度がバラバラで全く合っていなかった。そのため事前に棚受けを押し曲げ、それぞれが直角になるように調整を実施した。

4.棚板の取付け

4-1.棚取付け位置のケガキ

棚板を取り付ける高さは、一番使うことになる妻に使い勝手を確認してもらって決定。

高さの基準点を壁面コーナー部にマーキングし、水準器を使って、水平に棚板のケガキを実施。

下の写真は見づらいですが、後で消せるように鉛筆で壁紙に罫書き。

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4-2.棚受けの板への下穴開け

用意した棚板受けの取付位置を予め決め、棚板や壁面に罫書きを入れ、下穴を開けておく。特に棚板へのネジ止めは体勢的に後からでは非常にやりづらくなると思われるため、予め下穴を開け、場所によっては先にネジ止めをしておいた方が良い。

まず棚板へ棚受けを取り付ける位置を決める。コーナー部の棚受けは間柱の位置が決まっているため、取り付ける場所は自然と決まる。

次に石膏ボード用棚受けの2本は、全幅に対して概ね全体を3等分して配置。

更に、追加の通常棚板の配置を決める。棚板背面側はボード用棚受け等があるが、通常物を置きたい手前側の負荷を受けるため、側面側から棚受けで支持する。

これで終わるつもりだったのだが、もう一つ通常棚受けがあったため、ボード用棚受けの間に追加することにした(配置のバランスが悪いのは施工後に追加して付けた為...)

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棚板を壁に取り付ける前に板へ棚受けの位置を罫書き、孔の位置も罫書き下穴を開ける。なお上の配置図は上から見たイメージの図であるが、実際には棚受けは板の下面に付くため、棚板へのケガキ図は反転させて実施しています。

今回用意した石膏ボード用の棚受けは通常と違って、L字の壁側の縦の面は棚板の上部に向けて取り付け、水平部の上に板を乗せるようになっているため、縦板が棚板の背面を通り、棚板は背壁面に密着できず棚受けの厚み分8mmだけ隙間が空く。この寸法に気づかないと棚受けの配置と穴の位置を間違えて下穴を開けてしまうところだった。

最後に棚板へネジを取付けるのは非常にやりづらいため、罫書いたネジ穴の位置にキリで下穴を開けた後、棚受けをセットしてネジで”仮止め”まで行った。

(下の写真はボード用棚受けは罫書きのみで仮付け前の状態)

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この時点では棚受けは”仮止め”のつもりだったのだが、後からやりづらい体制で棚板にネジ止めするなら、棚受けを付けた状態で棚板を壁に取り付けても良いかと思い、このまま棚受けを付けた状態で壁に棚板を取り付けることとした。

4-3.壁面へのネジの下穴開け

棚受けを壁面へ取り付けるための下穴を開ける。

予め罫書いた壁面の棚板位置へ棚受けを取り付けた状態の棚板を合わせてセットし、各方向の水平度を再度確認・調整した上で各棚受けのネジ穴位置を壁面に写していく。全ての棚受け穴位置を罫書いたら、棚板を外し、ネジ穴位置の中止にキリで下穴を開けていく。ただし石膏ボード用棚受けはピンで取り付けるため、ここはマークのみで下穴は開けない。

今回棚受けの棚板への取付けを優先したことで棚受けの壁面へのねじ込みはやりづらくなる。特に、間柱にねじ込まなければならないコーナー部は側面から10㎜程の位置にネジ込まねばならず作業性が非常に悪いため、下穴だけでなく一度取付け用のネジを使って仮締めを行い、下地にタップを切った状態を作っておく。このコーナー部の穴位置はインパクトドライバーはもちろん入らず、通常のドライバーですらグリップが壁面に当たるほど狭いため、ネジ込みは非常に作業性が悪い。力が入らないとネジ山をなめてしまうため、手回しで45度ピッチほどに少しずつドライバーを廻してネジを進めなければならない。少しずつ廻してようやく最後までネジ山を切ったら、再びネジを慎重に逆転させて取外し終了。この仮ネジを3か所処置するだけでSUSネジの頭を1本ダメにしてしまった・・・。

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なお石膏ボードに通常のネジで取り付ける部分は必ず下穴のみとしておく。石膏ボードはもろく破損しやすいため、ネジを何度も入れたり外したりすると、ボードに切られたネジタップが崩れてしまいネジが効かなくなるため、ネジ通しは最低限にする。

また石膏ボード用棚受けは、棚板重量を受けない状態で取り付けたいため、その棚受けだけは棚板から外した。

4-4.石膏ボード用棚受けの設置

壁面に罫書いたボード用棚受けの位置に棚受け単体で取り付ける。

 棚受けを罫書いた位置にセットし、その位置で仮留めするため養生テープで壁紙へ保定する。その状態で取付用のピン孔の開いた留め具(下写真の3本のピンの刺さっている小さな丸い部材)を棚受け固定具の穴へセットする。

次に留め具の孔へピンを差し、ハンマーで壁面(石膏ボード)へ打ち込んでいく。ピンが非常に細く、まっすぐに打ち込まないとすぐに曲がってしまうため、慎重に打ち込んでいく。1つの留め具に3本のピンがあるため、順次ピンを打ち込む。

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2つの棚受け、各4箇所の固定部へピン固定が終わったら、留め具に化粧カバーを取付けて終了。これだけなら簡単。

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4-5.その他棚受けの固定

まずコーナー用棚受けを固定する。

先に取り付けた石膏ボード用棚受けの上に棚板を乗せ、コーナー用棚受けの予め下穴とネジを切っていた穴へネジを締め込んでいく。事前に下地へネジを切っていたとは言え、非常に狭い場所にて力が入らないため、ネジ頭をなめないよう注意してネジを最後まで締めていく。

次に側壁の通常棚受けを固定する。

ここは石膏ボードへネジで固定するため、石膏ボードを損傷させないようネジを選定する。通常の木ネジの中でもネジピッチの大きい、粗いネジを選定した。

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側壁と背面の通常棚受けを同じように木ネジで固定して完了。

4-5.完成

下地の無い石膏ボードへの取付だが、複数の棚受けにより安定した棚板を付けることができた。棚受けだらけで少々見苦しいが、棚板が抜け落ちるよりは良いかと。

棚板の剛性も問題無く、非常にがっちりと取付けられました。

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念のため水平度を確認。据付後も水平度は問題無し。

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石膏ボードへの取付の耐久性は今から検証となりますが、まずは完成。しばし使ってみます。