れきょぱのDIY紀行

DIY記録を書いていきます。誰かの参考になると幸いです。

 

エアコン室外機へ日よけカバーをDIY作製

灼熱の室外機

我が家で最も使用頻度の高いリビングのエアコンは南西に面した庭側へ置かれているため、真夏の昼過ぎの室外機は天板で目玉焼きができそうな程の灼熱となっている。

嫁さんが「室外機が熱くなってるからエアコンの効きが悪い。日よけを付けると良いらしいよ」と言うので、ホームセンターに行って見ると確かに色々な物が売られている。ただどれも中途半端にチャチなものが多く、ただの断熱シートだけのものを1000円位で売っているのもあるが、あれじゃ1年でボロボロになって使い捨てだな。他の物も樹脂製のため、真夏の紫外線浴びたら数年でパキパキに劣化しそう。しっかりしたものを自分で作るかな。

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日よけの設計

どうせ作るなら10年以上使えるしっかりしたものを作ろうと思い、最初はアルミか軽量鉄パイプを使って、我が家の室外機にピッタリの骨組みをがっちりと組み立ててカバーを付けようと思い、材料探しを始めていた。

通常どんなものが使われているのかNETで調べていると、室外機カバーのDIYでの注意事項として「室外機全体を覆ってしまってファンの排気を遮らないように!」ということが目に留まった。運転中の室外機を確認すると、実際に結構な勢いでファンから熱風が吹き出されていた。確かにこれを遮って熱気をこもらせてしまったら、効率Upどころか改悪になってしまうところだった。

まず骨材は、アルミ等が望ましいのだが組み立ての自由度が無いため、木材で作ることとした。雨風と日光にさらされることとなるが、防腐剤入りの塗料を塗って管理をすれば屋外でもそれなりの耐久性はあるはずなので、施工性を優先して設計と管理で寿命を延ばすこととする。

また全体の固定は、当初アルミ材などの骨組みを地面に突き刺してアンカーとする予定であったが、室外機全体を覆わなくしたため、ひさしを屋根のように室外機の上部に載せる形とすることとした。ただしある程度の強風でも飛んでしまうことの無いよう固定の方法を考えねばならない。市販品などにて、バンドでぐるっと室外機を抱き込む形のものもあるがバンドが目立ちそうなため、クランプ形式として室外機を挟み込んで留める形にする。固定強度は十分では無いかもしれないが、台風などの暴風時や夏場以外の時は取り外して物置にしまえるようにする。

この室外機は西日を受けるため、少しでも室外機前面への直射日光を遮ることができるようにひさしを斜めに取り付けて長く張り出す形とした。上述のように夏場以外は外して物置にしまっておくことを考え、大きな屋根材は台座に完全固定でなくネジで着脱可能とし、ばらして保管できるようにする。

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日よけカバーの製作

まず台座の製作。

我が家の物置には書棚を作った(*1)時の廃材がかなり残っていたため、その中から耐久性と安定性を考えて板厚25mmのパイン集成材で台座を作ることとした。

(*1):「鏡面仕上げの書棚作成」https://reikyonpp.hatenablog.com/entry/hondana

図面の形状に沿って鋸で台座板や連結板などを切り出した。加工面や表面をサンダーで軽く整える(所詮屋外仕様のただの日よけのため、書棚の時のような鏡面狙いでの研削はしない)。次に室外機を挟み込む抑え材も加工。こちらはt18材から切り出す。

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次に屋根材は(機能的にはt5mm位でも十分だが)耐久性を考え板厚12mmの板を選定。パイン材にするか悩んだが屋内の棚板でもないのでラワンべニアとした。ホームセンターにて既成寸法で450×900があったため、それを選定してカットを省略!

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塗料も屋外での使用のため耐久性を優先して油性を選定した。屋外木材用の防腐剤入り塗料とした。色は、現状の室外機に合わせた白が無難だが、周囲のウッドデッキに合わせてチーク色を選定。

屋根材はべニアのため表面の毛羽立ちが少なくない。ペーパーサンダーにて#120、#400で研磨し、更に塗装時の毛羽立ち抑制のために研磨後の板を一度水洗いしてべニア材の毛羽を浮かせた所で、再度研磨を実施。この状態でペンキを塗っていく。

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2度塗りしたところで、浮き上がってきた毛羽を紙やすり#400で研磨して落とし、再び塗装を繰り返す。

台座などの接合部は接着剤の浸透を良くするためにマスキングをしておく。(下写真はマスキングした塗装写真とマスキングを剥いだところ)

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 接合は2液混合の接着剤を使用。実は、接着強度もそれほど不要なため当初は普通の木工用ボンドを考えていたが、雨天で白く溶け出すはずのためさすがに適用中止し、2液混合タイプを使用した。なお長年の屋外仕様で接着剤が劣化しないか心配もあったため、接着剤で固定後、接合部は釘やネジで再度締結した。

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台座が出来上がったため、屋根材と仮合わせして固定ネジの下穴を合わせる。台座に合わせて屋根材へ罫書きを入れ、屋根材に下穴を開け、その下穴に合わせて台座に下穴を開ける。

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室外機への固定

室外機の上へ乗せる形としたため、多少の強風でも飛んでいかないようにしっかりと室外機に固定せねばならないが、今回台座で室外機を挟み込む形とする。室外機背面側はただの押さえ。正面側からボルトで締め込んではさむ。留めの部材にボルトの通し穴を開け、抑える力を受けられるようにナットを部材に埋め込む。M6のナットを埋め込むためのΦ12のザグリを入れる必要があったが、その径のドリルビットが無かったため、手持ちのΦ9ドリルで座ぐりをした後、娘の彫刻刀を拝借して穴を彫り広げナットを埋めた(涙ぐましい…)。

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 作成した留め具は2液接着剤で台座へ取り付けた後、更に釘を打ち込んで固定。通しボルトのある側は穴の横に釘を通すことで木材が割れそうな気がしたため、Φ1.2の真鍮釘の頭を切り落とし、落とした側をやすりで削って両釘として台座と留め具を固定した(接着剤も併用)。

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室外機の台座全体下面とボルトで挟み込む部分に傷つかないようゴム板を貼り、台座の完成。

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完成した台座を室外機へ乗せ、ボルトで締め付け。

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最後に屋根材を載せ、下穴位置を合わせて木ネジを締め込めば完成!

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もう少しひさしを伸ばしても良かったかもしれないが、まずまずの出来です。

真夏以外の時期は屋根材をばらして外して倉庫へ保管すれば10年は持つと思います。